05-2|土祭2021「コロナ対策交付金」

05「土祭の予算と決算額の推移」の続編です。土祭2021の決算額は、これまでの土祭で最多32574802円であると、土祭2021報告書にて公表されています(331日に益子町ホームページに掲載)。本資料では、その「財源」について公開されている情報から整理してお伝えします。

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目次 
⒈ 土祭2021報告書記載の「決算報告」より  
⒉ 地方創生推進交付金の不採択
⒊ コロナ対策臨時交付金の申請       
⒋ 公開されていない記録より

⒈ 土祭2021報告書記載の「決算報告」より

  https://www.town.mashiko.lg.jp/page/page003354.html


土祭2021の事業として行われたプログラムが、「土祭実行委員会事業」「経済対策事業」と2つに区分されて予算・決算がなされています。

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報告書P5より
1-4 全体における部門別事業費[予算・決算見込] ※2022  4  2  22 日時点

⑴ 土祭実行委員会事業  支出額 17,668,647 円 (  9,061,354   8,607,239 )

⑵ 経済対策事業     支出額 14,906,155 円  (国 14,906,155円  町 0)

合計      支出額 32,574,802 円 (国 23,967,509 円 町8,607,239 円)

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⑴ 土祭実行委員会事業の内訳



















⑵ 経済対策事業の内訳





疑問】なぜ、「経済対策事業」を切り分けての決算になっているのか?

 土祭実行委員会事業と経済対策事業の2つに区分した決算報告がなされたことについて
土祭事務局に問い合わせたところ、以下のような回答がありました。
経済対策事業は、コロナ禍における経済対策で行われた観光商工課事業他となります。
●益子町予算(観光商工課予算他)で町内事業者に業務委託し実施された事業を「経済対策事業」、土祭実行委員会予算で、主に個人・地域が主体となり実施された事業を「土祭実行委員会事業」としています。


【疑問】そもそも、これまでの益子町長(=土祭実行委員長)の議会での答弁や、広報ましこ・土祭ウェブサイトを通しての町民の説明においては、「土祭そのもの」が「経済対策の事業である」という趣旨のことが伝えられています。
土祭ウェブサイトにて公開された益子町長(=土祭実行委員長)から町民への説明メッセージを転載して紹介します。

【参考】土祭2021開催にあたって(実行委員長メッセージ)
 土祭ウェブサイトより一部転載 http://hijisai.jp/about/


前略「町の行事については、特に外から人を集めるようなものについては極力やらないでもらいたい」そういう町民の皆さんの声を頂戴しています。私も基礎疾患を持つ母がおりますので、その気持ちは大いに共感するところです。

一方、今年に入って2度目の緊急事態宣言が発出後、多くの方から「経済的に困窮」している声をいただくようになりました。「春の緊急事態宣言の時より厳しい」「解雇通知が送られてきた」「この状況があと1年続くと、会社が持ちこたえられない」などです。益子町は4名以下の零細企業が多くあることや交流人口で生計を立てている方も多いことが要因と考えられます。

私は、「益子町新型コロナウイルス感染症対策本部長」という立場でもありますので、「安全を最優先」させたうえで、「生計を立てられる環境」も両立させなければなりません。ジレンマを伴う問題ですが、「安全を確保できないことはやらない」「経済的に効果が少ないものはやらない」「開催する場合は、国・県のガイドラインを遵守する」という3点を判断の軸にしています。「土祭」については、多くの経済波及効果が見込まれることが、過去のアンケート調査や益子陶芸美術館の入場者数、道の駅ましこの売り上げなどからも明らかで、多くの飲食店や宿泊施設へのエールにもなります。(攻略:転載終わり)

【疑問】土祭そのものが経済対策として行われる以上、⑴にカテゴライズされている「アート」「地域づくり」など土祭のメインともいえるプログラムを始め、「関連企画」、土祭の会場全体を設える「会場設営」に関する費用も、「経済対策事業」ではないのでしょうか?
それでは、次に「財源」について情報を整理していきます。

 


⒉ 地方創生推進交付金の「不採択」


 土祭2021の予算3000万の財源(予定)は、令和2年度内に申請されていた「令和3年度の
地方創生推進交付金」でしたが、令和3年3月末に「不採択」となっていました。そのこと
は、益子町議会:令和3年4月30日の臨時議会での答弁でも公開されています。
 https://ssp.kaigiroku.net/tenant/mashiko/MinuteView.html?council_id=60&schedule_id=1&is_search=true

 

【疑問】不採択となった時点で、「規模の縮小」や「中止」などの選択肢はなかったのでしょ
うか? 上記の臨時議会の議事録での町の答弁でも。予算規模はそのままで、「予算の組換え」を行い、財源を確保して進めていく旨の答弁があります。

議事録P14より転載
◎観光商工課長(福田) 15款、地方創生推進交付金につきましては、交付金申請によります不採択によります減額計上でございます。7款のほうでございますが、地方創生推進交付金の不採択によりまして、事業科目ごとに5款、7款で地方創生推進交付金の活用を予定してございましたので、そちらのほうの今度臨時交付金の活用への組替えという形で計上してございます。以上でございます。
◎観光商工課長(福田) 今回7款のほうで予定しておりました3目観光費の中での土祭のほうの減額でございます。1,100万ほど減額してございます。観光費の中で、今度委託料のほうで臨時交付金の活用事業としまして、先ほど5件ほどご説明させていただいたものにつきまして、ある程度土祭との関係ということで、議員おっしゃる土とかそういう感謝、または町内の経済を回すための事業としまして臨時交付金のほうでちょっと今回申請させていただきまして、土祭の関連事業という形での計上をさせていただいております。以上でございます。(転載終) 


⒊ コロナ対策臨時交付金の申請

 上記の議会答弁にある「臨時交付金」は、正確には「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」です。土祭2021の「経済対策事業」の財源には、この交付金が当てられました。

内閣官房の地方創生サイト 「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」

https://www.chisou.go.jp/tiiki/rinjikoufukin/index.html

このサイトでは、「令和3年度実施計画一覧」が、地方公共団体別にエクセルデータで公開されています。
益子町に関するデータだけを抜き出したものをGドライブで公開します→益子町データ

エクセルデータでは、土祭のプログラムとして実施されたものは色を染めました。
抜き出した「テキスト」を、次ページに掲載します。
他の市町が、どのような事業で申請しているか、確認をしたい方は「栃木県」のデータを
抜き出したものを、同様に紹介します。→栃木県市町データ


【疑問と所見】
申請内容について、それぞれの事業を検証していくと、実際に企画された際の趣旨や、実施された内容(実情)との乖離・隔たりがないでしょうか? 果たして「このように」、交付金を獲得するための「作文」をして土祭2021の財源を確保し、中止や規模を縮小することなく、予算3000万を、約260万も超過する形で実施したことで、地域経済と、住民の暮らしに、どのような効果がもたらされたのでしょうか? 報告書を全て読んでも、明解な説明はありません。今後の精査と検証が必要です。町民の皆様は、いかがお考えになるでしょうか?

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金
申請されていた益子町「土祭」と関連の議場一覧

 

1:事業概要(事業の対象(交付対象者、対象施設等))2:交付金対象事業の名称 
3:事業概要(目的・公開) 4:事業概要(交付金を充当する経費内容)

1:土祭実行委員会
2:観光地域づくり実証事業交付金
3:住民が主体となり、地域の観光資源磨き上げ企画を立案運営し、アフターコロナを見据えた観光地域づくりを形成するための実証事業を行う
4:業務委託費、報償費、旅費、需用費等

1:一般社団法人ましこラボ(DMO)(委託先)
2:新たな観光周遊ツアー造成事業
3:コロナ禍における「新しい旅行スタイル」の確立に向けた観光周遊ツアー造成事業として、地域資源を活用したサイクリングツアー等を実施する。
4:ツアー造成業務


1:一般社団法人ましこラボ(DMO)(委託先)
2:町民参画による新たな観光コンテンツ造成事業
3:コロナ禍により経済的に打撃を受けている町民や町内事業者に対し、新たな収益事業に繋がる観光コンテンツを商品化するまでの指導、人材育成等を行うことで、地域経済の活性化を図る。
4:企画運営費、準備開発費、広告宣伝費等

1:株式会社ましこカンパニー(委託先)
2:食と農を軸としたマイクロツーリズム造成事業
3:コロナ禍における新しい観光スタイルとして、屋外での体験型ツーリズムを造成する事業。食育や農業体験などの田舎暮らし体験を通した関係人口づくりに繋げていく。

4:企画運営費、準備開発費、広告宣伝費等

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1:有限責任事業組合風景舎(委託先)
2:映像産業を軸とした地域ブランディング事業

3:コロナ禍における観光情報発信事業として、WEBサイトやSNSを活用した動画配信等を行い、地域ブランディング゙を図ることで、アフターコロナにおける誘客に繋げる。
4:WEBサイト構築、映像制作・配信業務

1:益子焼関係団体振興協議会
2:益子焼観光振興支援事業
3:コロナ禍による観光産業の低迷から困窮している地場産業(窯業「益子焼」)の産地振興を図るため、事業者が主体となり益子焼産業のリブランディングを行い、益子焼を活用した体験型の観光コンテンツの開発・発信を行う経費を支援する。
4:企画運営報償金、広報業務委託、需用費、原材料費等



 

⒋ 追記:土祭2021総括のプロセスへの疑問

⑴ 土祭実行委員会と、みま研メンバーの関わり

みま研の町政カルテ制作に関わるメンバー7名のうち3名が、有限責任事業組合風景社に
所属しています。風景社は、土祭2021の「広報業務の一部」を受託しました。
当初、令和2年度秋に「委託の打診」が町から会った際に、4回目以降の土祭のあり方に
疑問を感じていたメンバーはお断りしようと話し合っておりましたが、コロナ禍でも実施することは決定済みであるとのことで、それであれば、少しでも「町民がボランティアでなく報酬を得る形で新しい小商いづくりのきっかけになるプロジェクトを展開しよう、中に入って変えていこう」と、「住民参加のウィンドウアートプロジェクト」「住民レポータープロジェクト」を提案し、受託することにしました。

みま研メンバー・風景社組合員である簑田は広報部門代表という立ち位置で実行委員会に参加していました。しかし、実行委員長の財源への考え方、実行委員会のあり方に疑問を覚えるなか、令和3年4月と5月に、実行委員長である大塚町長から風景社組合員の大塚康宏氏及び簑田に対して「公人として疑問を呈せざるを得ない言動」があり、5月を最後に、土祭事務局には「実行委員辞退」の意を伝え、まだ正式に渡されていなかった実行委員委嘱状は受け取らず、以降、実行委員会には参加しておりません。

「恫喝」「パワハラ」発言の内容については、ここでは記載しませんが、県内に事務所を置く弁護士にも正式に相談をして記録も作成してあります。町民の方で関心を持たれる方がいらっしゃいましましたら、個別にご連絡ください。

さて、実行委員は途中辞退した立場ではありますが、広報業務の一部受託者として議事録や報告書(案)などは、土祭事務局から共有されおり、疑問や意見があれば、つど、伝えてきています。次は、報告書が完成するまでのプロセスについて、共有します。

⑵ 報告書(案)からの修正について

令和4年2月9日、事務局より「報告書(案)」の送付と確認依頼がありました。

実行委員会メンバーおよび関係者に送付された報告書の決算は、P1に掲載した「土祭実行委員会事業費 決算額:17,697,387」のみでした。

他にも不明点・疑問点が多く、風景社として、いくつかの質問と疑問点、修正意見を提出しました。その概要は、次の通りです。
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風景社より土祭事務局へ:以下、2点を明らかにする報告書を望みます。
◎新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を用いてまで、コロナ禍で土祭2021を実施する必要があったのか? 
土祭2021を開催したことで町内にどのような「経済波及効果」と「地域内経済の好循環」が見られたか?

項目追加の希望 
①経済波及効果についての報告   ②土祭での町内経済循環を報告する項目
③当初予算額について「令和3年度ましこの予算」(2021年3月公開)では、土祭実行委員会交付金として、3,000万が計上。総括報告書(案)では、1,900万。ここに差異が生じた経緯・理由の説明をお願いします。
収入の部:交付金申請事業名ではなく、交付金名称の開示(何の交付金を用いたか)、町の一般会計からの拠出との内訳の開示を求めます。
決算:部門ごとの予算を立てたわけですから、部門ごとの決算報告が必要です。

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【疑問】
 この風景社からの要望などを受けて、修正され、3月1日に送られてきた報告書で初めて、決算において「経済対策事業」という枠が初めて掲載され、決算総額が3000万を超えることが明らかとなりました。風景社からの指摘がなければ、「土祭実行委員会事業」のみの報告のままだったのでしょうか。

⑶ 風景社受託事業の申請内容への疑義

令和3年度の予算で、契約書・請書・仕様書を交わして風景社が受託した事業は下記の通りです。
1:ウェブサイトの構築と5月までの運用
2:紙媒体「ヒジサイノート 」1号から5号までの制作
3:広報プロジェクト「ウィンドウアートプロジェクト」

4:広報関係一部のデザイン(プレスリリースなど)
5:広報プロジェクト統括運営(ウィンドウアート・レポーター指導など)


令和3年5月に交わした事務局からの契約書では事業名が「広報プロジェクト業務(コロナ禍における映像産業を軸とした地域ブランディング事業)」となっていました。「映像産業」については、事務局が中心となって土祭YouTubeチャンネルに短い動画をアップしていくと聞き、その動画をウェブサイトからも繋ぐ、関連づける、という理解でした。しかし・・・・・・・

土祭2021が終了し、みま研でもさまざまなデータを集め検証する中で、内閣府地方創生のウェブサイトにて、益子町の「コロナ対策交付金」への申請の内容が明らかになりました。

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P
5に掲載した、益子町が行なった申請内容を再掲します。
[交付金対象事業の名称]映像産業を軸とした地域ブランディング事業
[事業の対象(交付対象者、対象施設等)]有限責任事業組合風景舎(委託先)
[事業の目的・効果]コロナ禍における観光情報発信事業として、WEBサイトやSNSを活用した動画配信等を行い、地域ブランディングを図ることで、アフターコロナにおける誘客に繋げる。
[事業概要(交付金を充当する経費内容)]WEBサイト構築、映像制作・配信業務
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【疑義】
申請に書かれている「映像制作」「W E BサイトやS N Sを活用した動画配信業務」は、先に掲載した、益子町からの仕様書に基づく風景社の業務にありません。
また、請書と仕様書に基づき行なった業務「紙媒体:ヒジサイノート5冊分」の制作やウィンドウアートプロジェクトにかかる費用には「交付金は充当されない」と理解できます。
申請されていない業務で、しかも「映像産業を軸とした」にも該当しない業務を、私たちは、仕様書に従い、行い、業務の報酬を得たこととなり、非常に後味が悪いです。
細かいことですが、委託先名称が、風景社ではなく「風景舎」となっています。

 

【みま研の所見】
契約書・仕様書の内容、そして、実際に行なった業務と、その財源となった交付金の申請内容に、このような「齟齬」「違い」があって、良いのでしょうか?


事務局の担当者たち云々のレベルの問題ではないと考えます。町民や職員から立ち上がった事業ではなく、交付金だのみで、トップダウンで事業をぶち上げ、職員も疲弊し続け、町民との軋轢を生み続けるような町政のあり方の「歪み」の1つがここに現れていると思います。


行政の仕事を受ける受託業者は、公金(私たちの税金)で行う仕事として、契約書や仕様書を重んじ、そこに齟齬が生まれないよう、そして、依頼内容以上の効果を生むように、最大限の努力と、日々の研鑽を行なっています。本件、「4.」に記した「恫喝」「パワハラ」の件と合わせて、在野のいち事業者としての尊厳も傷つけられていると感じています。

最後に、次項で、ここで問題としている「映像制作」費用について伝えます。

 

 

⑷ 「映像制作」費用について

 

冒頭に掲載した、3/31に町のウェブサイトで公開された報告書の広報関係の決算は、

このようになっており、映像製作費が掲載されています。

予算が最初から100万組まれていたことになっています。










しかし、3月1日に事務局から送られてきた報告書(2月22日開催の最終の実行委員会を

経たもの)では、映像制作の欄は、下記のようにありませんでした。








つまり、実行委員会の後、この「映像制作費」が、広報プロジェクトを受託した風景の知らないところで、国庫補助を財源として、「広報プロジェクト」に追加されています。



【疑問】どのような理由で、当初は、予算決算に盛り込まれず、

どのような理由・経緯で、実行委員への共有後に、追加されたのでしょうか?

また、この映像とは、土祭事業の中の何を指すのでしょうか?

この件について、また、他にも不明点が多くあり、精査していく必要があります。

また、新しい情報・データがまとまりましたら、みま研から発信させていただきます。 


本記事は、PDFでもご確認いただけます →PDFデータダウンロード


/以上






















 





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